今さらながら「君と彼女と彼女の恋」をクリアしたので、感想を書いてみようと思います。
ネタバレありで書くつもりなので、未プレイだったら今すぐブラウザの戻るボタンを押すことを勧めます。
そもそも、わたしがこのゲームを買おうと思った最大のキッカケは、下記Webページでした。
おい！ニトロプラス！ふざけるなよ！！なんだこのゲームは！！！！
ここまで感情的に書かれてるレビューも珍しいような気がしました。
しかも、ここまで気になるような書き方。
むしろこのレビュー書いた人は、実は「君と彼女と彼女の恋」をベタ褒めしてるのではないかとすら、感じてしまいました。
ともあれ、このWebページのせい？でこのゲームを購入することになりました。
で、なんやかんやで数年放置し、最近ふと手を出してみた次第なのです。
上記のWebページで前評判とゲームの流れを大方知っていましたので、いつあんな展開が来るんだろう？とやきもきしながらプレイしてました。
さて、あんまり長々と書くのも性に合わないので、いくつかのポイントに絞って書いてみようと思います。
最後の選択肢について
ゲームを進めると、美雪か？アオイか？という最後にして究極の選択肢が出てきます。
結局、お前はどっちの女の子を選ぶんだ？という選択肢ですね。
これ、わたしは美雪を選びました。
そもそも美雪が気になって購入したという経緯もありますし。
ただ、アップデート後の世界で大半を美雪と過ごすことになりますから、ここまでの流れを考えると圧倒的に美雪に有利です。
どうしてもアオイ視点だと、この露出量の差に不公平を感じてしまうのです。
もともとこのゲーム(この世界は)、心一と美雪をカップリングさせるため(美雪ルートに入るため)の世界であることを考えると、自然な流れなのかもしれませんが。。。
アオイを選ぶ人は、最初からアオイが好きだった人だけな気がします。
ただ、ライナーノーツでは美雪とアオイを同じくらい塗ったと書いているので、見せ方やストーリー展開の問題なのかもしれません。
アオイの正体について
アオイの正体は美少女ゲームのヒロインの概念的存在、総体である。
その役割は、いろんなゲームでいろんなCGを回収することである。
そう書かれていました。
しかし、わたしにはどうにもその設定に最初から違和感がありました。
「アオイの正体は美少女ゲームのヒロインの概念的存在、総体である」、これはいいんです。
気になるのは、「その役割は、いろんなゲームでいろんなCGを回収することである」ということ。
美少女ゲームでイベントCGを回収するのは、通常はヒロインではなく、主人公(プレイヤー)です。
もしかして、アオイは美少女ゲームのヒロインの総体というよりも、むしろプレイヤーの総体ではないか...？
そう考えたほうが腑に落ちるんです。
劇中で、アオイは「心一ではイベントCGが回収できなくなったから」と言って、ハルに乗り換えてイベントCGの回収を試みようとします。
これって、「イベントCGが回収できなくなった＝ゲームをコンプリートした」って言って、他のゲーム(とそのヒロイン)に乗り換える、美少女ゲームプレイヤーの行動そのものですよね。
また、アオイはイベントCGを回収する行為をジュウデンと呼び、調子が悪くなっても回収するごとに元気になります。
イベントCGのコンプ率が上がると元気になる...美少女ゲームのヒロインの視点と考えると、やはり違和感があります。
なので、実はアオイは美少女ゲームのプレイヤーを揶揄しており、主人公(プレイヤー)を美少女ゲームのヒロインの視点に仕立て上げようとしているのではないか...とずっと感じていました。
製作者側にそんな意図があったかどうかは分かりませんが...ライナーノーツにもそんなこと書かれてなかったし。
プレイした皆さんは、どう感じたでしょうか？
ゲーム自体の評価について
個人的には、このゲームの評価としては最高点を出したいと思っています。
このゲームは明らかに邪道です。
賞やベストセラーを狙いに行ったゲームではないことは間違いありません。
※わたしとしては、ここまで革新的な作りかつ核心的なシナリオなので、審査員だったら是非にも推したいゲームなのですが。
ですが、ゲームやアニメ、もっと言えばコンテンツというのは、ひねりがあるからこそおもしろくなるという一面があります。
このゲームはひねりすぎて180度どころか360度を通り越して540度くらいひねってしまった。
結果、邪道になったと思うのです。
そのチャレンジ精神とゲームでおもしろいと思わせてやろうという心意気を評価したいです。
また、そんな脚本を書いて世に出してきた下倉バイオという人にとても興味を抱きました。
ニトロプラスが絡んだゲームをやったのは、「Steins;Gate」に続き2作目ですが、他のニトロプラスのゲームもやってみたいと思いました。
演出もすさまじかったですね。
セーブデータを全消ししたり、画面の向こう側にいるプレイヤーに話しかけたり、電話番号の入力値しだいではゲームが進められなくなったり...と。
個人的に一番印象に残ったのは、美雪の「バックログを見てみたら？」ってセリフのあるシーンです。
あれは本当に鳥肌がたった...かは覚えていませんが、驚愕したのは確かです。
終わりに
ポイントとしてはこんなところでしょうか。
さて、わたしはゲームで美雪に永遠の愛を誓ってしまいました。
なので、これからどんなゲームをやろうとも、アニメを見て「あ、この子嫁にしたいな」と思おうとも、また「君と彼女と彼女の恋」のゲームの2週目プレイでさえも、美雪を裏切ることとなります。
なかなか重いですね...このゲームに合わせて言うなら、そういう呪いにかかった、とも言えるかもしれません。
わたしもオタクですから、これまで何人もの美少女キャラで「この子と恋愛関係になったら...」と想像してきました。
でも、このゲームをやってからだと、安易にそういう気持ちを抱くのも憚られます。
ちなみに、わたしはここ半年以上「恋と選挙とチョコレート」の東雲皐月嬢にゾッコンです。
日常使用しているiPhoneのケース、背景は彼女です。iPhoneの名前も「Satsuki Shinonome」。
ドラマCDを買いあさり、よく聞いています。
グッズもいくつか買っちゃいましたね。
ここまでハマったのは久々かもしれません。
そんな気持ちも大事にしていきたいと思います...美雪に永遠の愛を誓っといてなんですけど。
