ふえんわーくすらいふろぐ

Fuen-Works(https://fuen-works.tokyo/)の管理人のまとめ。 アニメ、IT関係、日々考えてることだったりをテキトーに書いてます。

わたしが「LIDnM」で服を買わない3つの理由。


これを書くにあたって、WEARに最初に投稿したのはいつかなとさかのぼってみたら、2014年3月だった。
どうでもいいことだけど、わたしのアカウントはこれ。

ミフネのコーディネート一覧


以来、ずっと見てきてるので、げんじ氏の事は前から知っていた。
フォローもしてた。
が、特に詳細に気にしておらず、いつもタイムラインを流し見してたので、LIDnMというブランドを立ち上げてたと知ったのはつい最近だった。

人気があるので、みんな気になっててあれこれ言ってるのだが...わたしの感想と合致する評価がなかった気がするので、ブログに書くことにした。
まぁ元洋服屋の店員のテキトーな話です。

題名にも書いたけど、わたしはLIDnMで服を買う気にはなれない。
理由は3つあるが...ストレートにまとめて言うと「LIDnMというファッションブランドに魅力が感じられない」から。


1. LIDnMでなきゃ買えない商品がない(もしくは少ない)

まず、LIDnMのオンラインショップの商品を一通り見て感じたのがこれ。
商品に特徴がない。
細かく見たり、あるいは実際に商品を手に取ると違って感じる可能性はある。
だが、オンラインショップオンリーであるというLIDnMの性質上、ファーストコンタクトは商品のサムネイル画像のみであり、その違いを感じ取るには情報が限られている。

よくSTUDIOUSが槍玉に挙げられるけど、どちらかと言えばセレクトショップであるSTUDIOUSよりはブランドであるUNITED TOKYOに近いと感じる。
より正確に言えば、テイストはなんだかHAREみたいだな、と思った。
ともかく、ざっと商品をみても、LIDnMでしか買えない服がない。

商品に特徴がないとどういう事になるかというと、他のブランドで代替がきく、という事だ。
つまり、既存のSTUDIOUSオリジナルや、HAREで代替がきく。
LIDnMよりも圧倒的に知名度が高いし、店舗数も多い。
わざわざLIDnMで買う事はない。

つまり、服が欲しいと思ってもLIDnMに探しに来る事はないのだ。
テイストが似ていて、圧倒的に強力な先駆者がいれば、みんなそっちにいく。
そういうテイストが欲しければ、みんなSTUDIOUSやHAREにいくだろう。

わたしなら、今なら真っ先にZOZOにいくし、もしくは外出して自分の目でお店をみて回る。
そのほうが、自分が気にいる商品を見つけられる可能性が高い。


2. ブランドとしての独自性が感じられない

第一の理由と若干被るけど、ファッションブランドとしてのオリジナリティに欠けると思う。
ブランドコンセプトは「日本生産の良いモノを安価に」だそう。
日本製をうたうファッションブランドは今どき珍しくもないし、それを安価で...というが、それほど安価とも思わない。

しかも、扱っている洋服は上記の通り、他のファッションブランドと似通っている。
となると、ファッションブランドとしてのオリジナリティはどこにあるだろうか。
わたしが感じた限り、「Youtuber・げんじ氏が手がけている」こと以外に見当たらない。

ファッションブランドというのは、なにかしらの方法でオリジナリティを出す必要がある。
そうでなきゃ、ファッションブランドが星の数ほどあるこのご時世で、生き残る事はできない。

いわゆるハイブランドであれば、デザイナーやそのデザインでオリジナリティを出している。
そのブランドを知っている人が、そのブランドの服を見れば、なんとなく「あ、あのブランドの服かな」と感じられるものである。
だからファンがついて、長く生き残ることができるわけだ。

あるいは、商品になにかしらの特徴や共通するデザインを入れる。

Dr.Martensであれば、あの黄色いステッチとストラップがある。
Levi'sであれば、バックステッチが統一されているし、ジーンズで多くのシルエットを用意してる。
ヨウジヤマモトであれば、黒を活かした洋服デザインをしてる。
UNIQLOであれば、老若男女誰でもマッチするシンプルな服デザインでカラーバリエーションを多く用意している。
Dr.MartensやLevi'sには、ブランドとして長い歴史がある。
なにかしら、購入意欲を想起させる「そのブランドらしさ」があるのだ。
わたしは、自分が買う洋服は、なにかしら惹かれる要素やブランドらしさを感じて買うことが多い。

LIDnMはハイブランドじゃないが、それでも服のデザインやプロモーション方法でもっとオリジナリティを出さなければ、認知もされないし露出も限られるのではないか。
ただでさえ、ネットショップオンリーなんだし。


3. 実店舗がない(実物が見れない)

今でこそ、洋服をネットで買う事は当たり前になったけど、それでも洋服を買うまで一切実物が見れないというのはなかなかハードルが高い。
過去に実物をみた or 買ったなら、「まぁこんな感じかな」という想像ができる。

しかし、それができないという事は、最初の一歩がとても勇気がいるという事だ。
しかも、失敗してもいいかなと思うにはちょっと値段が高い。
少なくともわたしはやりたくない。
それなら、他のものにお金を使いたい。

先日、ポップアップストアを期間限定でやっていたと思うが...なぜ常設しないんだろう、と不思議でならない。
自分が同じようなネット専売でファッションブランドをやるとしたら、必ず全商品のサンプルを直接見れる実店舗は1ヶ所用意すると思う。
都内のちょっとマニアックな場所でもいいから、用意した方がいいんじゃないだろうか。
実店舗のショールーミング化は最近よく言われているが、ファッションブランドにおいては実店舗とネットショップの両方を用意するのが生き残りの必須要件じゃないか、と考える。


以上が、わたしがLIDnMで洋服を買わない3つの理由。

LIDnMは、現状ブランドとしての入口がげんじ氏しかない。
げんじ氏を知らなければ、LIDnMというブランドを意識する事はないと思う。
げんじ氏が好き、あるいはげんじ氏が気になるようなことがなければ、LIDnMにはこない。

では、そのげんじ氏に世間的にそこまでカリスマ性があるかと言われれば、わたしはないと思う。
人柄やファッションセンスが、そこまで特筆して惹きつけられるわけでもなし。

第一の理由で書いた通り、ああいったテイストが欲しい人たちはSTUDIOUSやHAREに行くだろう。
LIDnMで買うのは、げんじ氏のファンか興味本位で買ってみる人のどちらかが大半じゃないだろうか。


さて、ではブランドとして生き残るためにはどうするか。
わたしは、ブランドとしての方向性を見直すべきだと思う。

ひとつは、げんじ氏を前面に押し出した、ファン向けのブランドをもっと加速させる。
もちろん、今のような炎上を繰り返しているようではカリスマ性が高まるはずもないので、早急に行動を改めるべきかと思う。

あるいは、げんじ氏が表に出なくても魅力が感じられるブランドに変えること。
UNITED TOKYOにも言える事だが、ブランドとして生き残るためにはそのブランドならではのアイコン的な何かが必要だ。
UNITED TOKYOは最終的にはパリコレ出展を狙っているらしい(店員さんから聞いた)...が、それにはアイコニックな要素が欠けていると思う。


ちなみに、わたしはげんじ氏を特に好きでも嫌いでもないが、人間性で叩こうとは思わない。
まとめではけっこうあれこれ書かれてるけど、そんなのはどうでもいい。
おしゃれじゃない、顔がいまいち、滑舌が...とかなんとか。
でも、だからなんだと思う。

ファッションブランドはあくまでファッションブランドの基準で評価すべきだ。
アーティストでも同じで、不適切な発言しようが不倫しようが好きな曲を作ってくれれば特に何かいう気はない。
わたしはファッションブランドも同じ視点で評価する。
デザイナーでどうこういう気はない。

だが、辛辣かもしれないがLIDnMはファッションブランドとして魅力にかけていると思う。
だから、わたしはLIDnMで洋服は買わない。


けれども、げんじ氏とLIDnMは応援したい。
「ファッションでみんなを幸せにしたい」という気持ちは素直に共感できるし、行動を起こした事はすごいと思うからだ。
自分が洋服屋で働いていた時期、後半はそういう気持ちで働いていたから。


げんじ氏とLIDnMの今後が気になります。